沙織はいつも通り、家に帰り家事をこなしていく。 正男が帰って来た。 会話なく気まずい空気が漂う中、沙織の作った料理をアテに正男の晩酌が始まった。 沙織は子供部屋に入り、襖を閉めて、机に向かった。 13歳が考えた苦肉の策は……朝まで勉強しよう、ベッドに入るのはやめよう。 朝まで絶対に眠らないから……。 閉じてきそうになる目をこすり、沙織は睡魔と戦った。 隣の部屋では、テレビをつけたまま正男が寝てしまった。 そっとテレビを消して、また机に向かう沙織。 絶対寝ないから…。