過去の秘箱



6時間目が終わり、皆廊下に流れ出した。


時間は皆に平等で……人を癒したり、人をいじめたりする。


沙織も教室から出て来た。


廊下をとぼとぼ歩いていたら、そこに美雪がいた。


男女入り乱れて、話し込んでいる。


「沙織、もう帰っちゃうの?」


「うん……」


「今日ね、皆、部活ないんだ。今からね、マック行くんだけど、沙織も行かない?」


そのグループの中には、中谷雅之もいた。


学年で一番モテている男子……。


美雪もずっと彼に思いを抱いている、美雪の顔からは笑顔が溢れていた。


「私……今日は帰る……またね…じゃ…」


「付き合い悪いね沙織、わかったわ、じゃねぇ~バイバ~イ」


沙織は、一瞬目が合った…そこにいた中谷雅之と……。


キャアーキャアー
 アハハハ~アハハハ~


ふざけ騒ぐ同級生を背に、沙織は一人歩き出した。