あの子のために雪は降る

初めて見る食べ物にワクワクしながら、すずめは口一杯にハンバーガーをかじった。


「どうだ?うまいか?」


モグモグと口を動かしていたすずめは、目を細めて頷いた。

俺は少しほっとして自分の分にありつくことにした。


すずめはかなり腹が減っていたのか、もしくは余程気に入ったのか知らないが、すごい勢いでハンバーガーを平らげると指をなめていた。

ポテトも同じく初めてだったようだが、うまそうな顔して食べてしまった。

俺はオマケのおもちゃを思い出して渡すと、目を輝かせて喜んでいた。
俺にとっては邪魔なだけだが、子供にとっては宝物になりやすいもんだ。
そんな物で満足してもらえるなら越したことは無い。


俺は食後の一服をしながらぬいぐるみとおもちゃで遊ぶすずめを見ていた。


(明日からどうすっかな…学校なんざ休んでも今更構わねえが、コイツをいつまでも置いておくわけにはいかねえ…。)


何気なくそう考えていると、すずめがニコニコしながらやって来た。


「お兄ちゃん、もうすぐクリスマスだね。」