あの子のために雪は降る

学校でもそう…。俺はいつも屋上で独りだ。
誰かとつるむこともなく飯を食っている。

今日は珍しく小さな客が居る。どうしたらいいか未だに解らないが、とりあえず飯の間くらいは考えるのを止める事にした。


「お前も食えよ、冷めちまうぞ？」


俺はすずめに向かってハンバーガーを差し出した。

それを手に取ったすずめは不思議そうな顔で俺が食べるのを観察していた。


「あ？何やってんだ？腹減ってないのか？」


そう聞いてみたが、首を横に振った。


「じゃあ、ハンバーガー嫌いだったか？」


その答えも違うらしい。


「お兄ちゃん…これ食べていいの？」


すずめは包み紙をガサガサといじりながらそう問いかけた。


「お前ハンバーガー食べたこと無いのか？」


そう聞くとすずめはゆっくりと頷いた。

今時のガキにしちゃ珍しいもんだと思ったが、俺はハンバーガーの包み紙を開いて「食ってみろ。」と手渡してやった。