あの子のために雪は降る

それから俺はどうすべきか考えながらトボトボ歩いた。

早く帰らなきゃすずめが寂しがるだろう。
考えがまとまらないまま顔を上げるとマクドナルドがあった。
晩飯はこれにしてさっさと帰るか…。


すずめの好き嫌いなんか知らないが、とりあえず俺は照り焼きバーガーのセットと子供向けのハッピーセットというやつを頼んだ。
オマケのおもちゃはどれが良いとか聞かれたが、俺には興味ないから店員に任せた。

そんな荷物を手にした俺は、しばらくしてすずめの待つ家に帰り着いた。


「ただいま…って、すずめ?」


部屋は真っ暗だった。
電気をつけると部屋の隅からすずめが顔を出した。


「ん?お前電気くらいつけたらいいだろ?」


「お手てが届かなかったの…。」


スイッチに向かって背伸びをしたすずめは届かない事をアピールした。


「はははは、お前はチビだから仕方ないな!」


俺はそんなすずめの頭をくしゃくしゃ撫でると、買ってきたハンバーガーをテーブルの上に広げた。

そう言えば誰かと飯を食うなんて久し振りな気がする。