俺はお前だけの王子さま

渡瀬をベッドに寝かせると俺は水を用意した。


「吐いた方が楽になるか?」


「大丈夫…」


ベッドでぐったりする渡瀬の額に俺は手を当てた。


熱はないっぽいけど…


渡瀬を介抱する俺に渡瀬は小さく言った。


「ごめん…やっぱり少し吐きたい」


「………」


俺は渡瀬を抱き上げると部屋つきのトイレに連れて行った。


「ありがと…あとは大丈夫だから…あっち行ってて?」


「アホか、気にすんな」


「…気にするよ…お願いあっち行って?」


「だけど、ほっとけねぇよ」


「…うぅ―…」


渡瀬は俺を拒否しながらも、耐えきれなくなったようにトイレにかがんだ。


俺は気持ち悪そうに吐く渡瀬の背中をさすってやった。