俺はお前だけの王子さま

パンパ――――ン



その日、夕方に俺とケビンがオフィスへ戻ると勢いよくクラッカーが鳴らされた。


『っ…?!』


当然の爆竹音に俺が驚いていると、後ろのケビンはにやにやしていた。


『なんだよ、ケビンは知ってたのか?』


『はは、そりゃ企画者だから♪』


はぁ?

ケビンが企画者?


俺とケビンがいない間にオフィスの中はパーティームード一色に変わっていた。


シャンパンにピザ、ポップコーンに風船の飾り付けまでしてある。


『…契約祝いか?』


俺がケビンに聞くとケビンは笑いながら中を指差した。


『よく見ろよ。春馬の為のパーティーだよ』


『??』


ケビンが指差す方を見るとオフィスのバルーンに


   Happy Wedding!
   Happy Marriage!



の文字が書かれてあった。