俺はお前だけの王子さま



その後、何度も行われた交渉。


交渉は途中、破談しそうになったものの俺とケビンの粘りで無事成立した。


俺とケビンが成し遂げた大きな大きな仕事だった。


そして今日はいよいよその契約を結ぶ日だ。


この契約が済めばあとはケビンがここに残り俺は…


――…俺は日本に帰れる。








『春馬、用意はできたか?』


ケビンの声に俺は顔を上げた。


『ああ、行ける』


俺は書類をケースにしまうと、ケビンと並んでオフィスを後にした。