俺はお前だけの王子さま

「…ほらよ」


俺はそれをぶっきらぼうに渡瀬に差し出した。


「え…?」

渡瀬は箱を受けとって、
ゆっくり中を見た。


「…あっ…」

そして小さく声をあげてから
俺を見た。

「これ…」



…んな目で見んな。

うざい…


俺は渡瀬から目を反らした。

「必要なもんは入ってっから」


「うん…」


渡瀬を見ると
渡瀬は箱を大切そうに胸に抱いていた。


「王子くんありがとう!本当にありがとう!」


「……別に。」