唇から首筋にキスを移動する。


同時に渡瀬の脇腹に手を添えると渡瀬が声を出した。


「だ…だめっ…」


渡瀬の声に俺は手を止めて
両手で少し抵抗する渡瀬を見た。


「は…早すぎるよぉ…」


困ったような潤んだ目で俺を見る渡瀬。



「…いや?」


「嫌…じゃないけど…」


「…嫌じゃないなら良いんじゃねーの?」



「だ…けど…」



俺はまだ戸惑う渡瀬の首筋にもう一度キスを落とした。


「…やっ…」


や…って言う癖に

恥ずかしがってるようにしか見えねぇ…。


俺は渡瀬の脇腹に添えた手を
少し上に滑らせた。


小さな声と共に、びくっと跳ねた渡瀬


やば…可愛い…


渡瀬が可愛くて、

いつもの清楚な渡瀬の知らない顔が見たくて…


「渡瀬…」


俺が渡瀬を見ると――…



渡瀬は泣いていた。