少しびくっとした渡瀬の唇は
だけどすぐに俺を受け入れた。


キスをしながら渡瀬の体を自分に向き合わる。


細い肩を抱くと
そのまま本棚に押し付けた。


ため息のような小さな声を漏らした渡瀬。


柔らかい渡瀬の声に


頭の奥が痺れて
また…あの感情が芽生える。


足りない。

もっともっと独占したい。




俺は渡瀬から唇を離すと

隣に置いてある、書斎机の上に渡瀬を座らせた。


「…え?王子く…」


一瞬戸惑いを見せた渡瀬に
俺はもう一度唇をつける。


机に座らせた渡瀬と頭の高さが並んだ俺は


さっきより少し強引にキスをした。


「っ…」


少し息苦しそうな渡瀬。


俺はそのままゆっくり机の上に渡瀬を押し倒した。



渡瀬が好きだ――…



気持ちが溢れて



どれだけ深くキスをしても
全然足りなかった。