俺はそのまま
渡瀬を後ろから抱きしめた。


キスは浜辺でしたけど…


渡瀬を抱きしめたのは初めてだった。


貧相だと思っていた渡瀬の体は意外と柔らかい。


「お、王子くん…?」


ひっくり返る渡瀬の声。


同時に渡瀬の体温がほわっと熱くなったのがわかった。



「…渡瀬って貧相な割には柔らかいな」


「それ…喜べないんですけど」


真っ赤になりながら、冷静に話そうとする渡瀬に笑えてくる。


そんな俺を小さくにらむ渡瀬。


にらんでる癖に…
目は潤んで顔が赤い。



誘ってんのか、これ…。



「渡瀬……」


俺は渡瀬の体を抱きしめたまま、後ろからキスをした。