――――ちゅっ…






波の音に交じり
軽くそんな音がした。






私の額に落とされた
優しい唇の感触。



水梨くんは額から
ゆっくり唇を離すと


切ない声で呟いた。





「愛子ちゃん…マジで好きだよ」







「ほんと…好きだったよ」






うっすら目をあけると


怖かった水梨くんはどこにもいなくて。



ただとても切ない顔の水梨くんが、そこにいた。