「え?」


未だに戸惑う私に


「それより海いつ行くの?」


水梨くんはいつものように爽やかに笑った。


「出来れば早く行きたいな」


何もなかったみたいに
話題を戻す水梨くん。



「う、うん。」


そんな水梨くんにつられて私もぎこちなく笑顔を見せる。


だけど…

なんかすごく切ないよ…。


慣れてる?

本当に?

そんなの嘘だよ…


傷付くことに
慣れる訳なんてない…。


「水梨くん…」


「ん?」


笑顔のまま首をかしげる
水梨くん。


私は水梨くんを真っ直ぐに見つめた。


「…無理に笑わなくて良いんだよ?」



生意気な言葉かもしれないけど…


私は言いたかった。


水梨くんを
楽にしてあげたかった。


なんだか水梨くんが

壊れちゃいそうで…



そんな私の言葉に水梨くんは
少しだけ驚いた顔をした。




だけど―…

水梨くんはすぐにまた笑った。


「はは、ありがとう♪」