軽快に歩く水梨くんの
背中を見ながら


繋がれた手にひっぱられるように足早に歩く。



途中すれ違う同じ高校の何人かが私たちを見た。


水梨くんに対しての甘い視線と

なんで私と?って目。



なんだか気まずいよ…




しばらくすると水梨くんは足を止めて、くるりと振り向いた。


「痛かった?…ごめんね?」


謝りながらも悪びれず
むしろ爽やかに微笑む水梨くん。


薄茶の髪が陽に透けてキラキラしてる。


小樽の背景と水梨くん。


似合い過ぎて
なんだかドキドキする。




「大丈夫だよ」



私が水梨くんから目を反らすと

水梨くんは髪を触って
少し寂しそうに笑った。


「そんな…警戒しないで大丈夫だよ?」



そう言われてもな…


「うん…」


小さく頷く私。



そうして私と水梨くんは
ゆっくり歩き出した。