「景色よりとりあえず、なんか食いたい」
そう言って
あくびをした王子くん。
王子くんは寝不足なのか
あくびばかりしてる…
そんな王子くんを見ていると
水梨くんと目があった。
うっ……
気まずくて思わず反らしてしまう…
またやってしまった。
反らしてから後悔する…。
これじゃ駄目だ…
加奈子の言葉を思い出して
ちらりと視線を水梨くんに戻す。
そんな私に水梨くんは爽やかに笑ってくれた。
いくら丼を食べた後
時計台とオルゴール館を周った。
「これからどうする?」
オルゴール館を出て
加奈子は腕時計に目を落とした。
集合時間まで
あと少し時間がある。
「じゃあ残り時間、俺と愛子ちゃんで過ごして良い?」
水梨くんの言葉に
みんなが水梨くんを見た。
「ちょっと2人きりになりたい」
薄茶色の髪を風になびかせ
微笑む水梨くん。



