俺はお前だけの王子さま



『お前らなにしてんだ!』



教師の声が響く。






どうやら他の部屋で男子が見つかったらしい。



渡瀬と夏木の顔色が変わった。


「あ~ヤバいね。見つかる前に俺らも帰るか」


腰をあげるヒロキ。


不安がる渡瀬らにヒロキは余裕の笑顔を見せた。


「大丈夫だよ、俺らは見付からないから♪」



俺はヒロキを見た。


見付からない保証あんのかよ?


そんな俺に
ヒロキはこっそり耳元で囁いた。


「この部屋から出るとこさえ見つからなきゃ良いから。廊下で見付かったらダッシュな♪」