俺はお前だけの王子さま

いよいよ修学旅行当日



大きな鞄を持って
高校のグラウンドに向かった。


今日は、みんな私服。


いつもと違う雰囲気に
なんだかそわそわしてしまう。


生徒の中に、
徳井くんの背中を見つけた。


そういえば、
なんだかんだと徳井くんに会えず、まだお礼が言えてなかった。


「徳井くん」


声をかけると、
徳井くんは振り向いてくれた。


「あ、渡瀬。おはよう」


友達と話てるのを中断して
私に向き合ってくれた。


「晴れて良かったよな」


初めてみる私服姿の徳井くんは一段と爽やかだった。