甘い疑惑の王子様



「ん~もう遅いかな」

そう言われた意味が理解できず
私は首を傾げた。


本当に勝手な人……


「着いたよ」

『え…』


早くない?


彼が私の方に振り向き
笑顔で言った。


窓の外を見ると
凄い広い庭……


今日は雨のため視界が悪いけれど
きっと綺麗なんだろう。


―――ガチャ


ドアの開く音が聞こえ
彼が居た方に目線を移した。


さっきまで運転席に居た男の人が
傘を持って彼が降りるのを待っている。


「僕が案内する」


彼は車から降りると
男の人から傘を取りドアが閉まった。


私も降りようとドアに手をかけた時

――ガチャ

勝手にドアが開いた。