甘い疑惑の王子様



そんな小さい体で
我慢させているのに

涼は強いね。


『本当?お姉ちゃん嬉しいな♪』


まだ幼いのに
涼は本当に良い子。



「あ…梨子ちゃん!」


涼の声の方向に顔を向けると
確かに梨子の姿があった。



『梨子…』


「……真奈ちゃん…」


ただ突っ立って
悲しそうに俯く梨子の姿。



『おかえり』


私に似て意地っ張りな性格の所為か
素直じゃないのは知ってる。


でも帰って来てくれたんだ……


「……ごめんなさい」


泣きそうな顔をしながら
梨子は私の元に駆け寄って来た。