甘い疑惑の王子様



落ち着いた私を確認すると
シンちゃんは真剣な顔を見せた。


「真奈美、無理すんな。どうしてもだめな時は頼れ」


同い年なのに
頼もしいシンちゃん。


でも…


『ありがと。大丈夫』


シンちゃんの優しさが
私を強くしてくれるから。


これ以上、頼る事はできない。


シンちゃんの優しさがあれば
私は大丈夫。




シンちゃんは心配そうな顔をしながら
私の頭を優しく撫でおやすみと言って涼の部屋に戻った。




シンちゃんの触れた場所に
自分の手を重ねて私は自分の部屋に行き
深い眠りに落ちた。



結局その夜…梨子は帰って来なかった。