甘い疑惑の王子様



――――………


散々泣きわめいた気がする。


シンちゃんはずっと
私を優しく抱き締めてくれていた。


いつ泣き止むかも
分からないのに何も聞かないで
動かずに、ずっと……




『……ご…めん』

「もういいの?」



シンちゃんの腕の中で
小さくなって居た私は体を起こした。


『ん…涼は…?』

「寝ちゃった」

『そっ…か』


優しい笑顔で私に答える。



いつぶりだろうか
こんな弱い自分を見せたのは…


「我慢すんなよ」

『分かってる』


全てを知っていてくれるから
全てをさらけ出せる。


シンちゃんが居て
良かった……