由利ちゃんが動かないから
私も動きを止めた。
「信也じゃだめなんだよね?」
いきなりどうしたの?
寂しそうな顔をして
由利ちゃんが言った。
『ど…したの?』
言いたい事はなんとなく
分かるよ。
だからこそ
言葉を詰まらせた。
「王子様じゃなくてもさ…信也がなってくれんじゃん?」
『由利ちゃん…』
いつもシンちゃんの悪口ばっかなくせに
シンちゃんの事を考えた由利ちゃんの言葉。
「信也は真奈美にだけ異常に優しいし、女子がほっとかないくらいの奴だから王子様にはピッタリじゃない?」
うん。
そうだよ……
由利ちゃんの言いたい事は
よく分かる。
でも違う……
違うんだよ。

