家に着くと 私と涼はリビングへと向かった。 「お姉ちゃん!梨子ちゃんはまだ帰って来ないの?」 ソファーにダイブした涼が 私に聞いてきた。 『ん~どうだろうね』 時計を見ると もうすぐ五時を回る。 こんな複雑な家庭のためか 非行に走るのは珍しくない…… 私が必死で母親代わりをしているのが分かってくれているのか涼は、純粋に育ってくれている。 その反面、梨子は日に日に反抗的になっていた。 中二の女の子にとっては 反抗期の始まり。 厳しい現実を、梨子は受け止める事ができないに違いなかった。