甘い疑惑の王子様



涼は笑顔で吉野さんの荷物を持ちながら
私と吉野さんの間を歩いている。


しばらくすると
見慣れた社宅が見えてきた。


「はい。涼ちゃんありがとね」

「うんん!」


涼は持っていた荷物を
吉野さんに渡した。


「それじゃあ真奈美ちゃん、なんかあったらいつでも言ってきてくれていいからね」

『ありがとうございます』

「おばちゃんばいばい♪」


涼が手を振るのを
吉野さんは笑顔で手を振り替えし
去って行った。