甘い疑惑の王子様



「お姉ちゃん!」

『涼っ』


遠くから涼が駆け寄って来た。


『どうしたの?』

「迎え来た!」


満面の笑みと一緒に
小さな手を差し伸ばして来た。


「あら涼ちゃん。偉いわね~」

「おばちゃん!重くない?」

『涼、お姉ちゃんは大丈夫だから吉野さんの荷物持ってあげな?』


涼は笑顔で返事をすると
吉野さんに手を差し出した。


「あ~大丈夫よ。重いからね」

「大丈夫っ!僕力持ちだから!」


吉野さんは笑顔でじゃあっと
小さい袋を涼に持たせた。