甘い疑惑の王子様




私は笑顔で大丈夫ですと返した。


“真奈美ちゃんみたいな娘がほしかった”

私も吉野さんがお母さんだったら
幸せだったのかな。


そんな事をふと思った。


優しいお母さんとお父さんなら
私はもっと……



そこまで考えて
私は首を横に振った。



「真奈美ちゃん?」


『あっ…なんでもないです』



頭ではいくらでも非難できる。
でも私の現実はそんなもんじゃない…


分かってる。
これが私の現実なんだ。


思いを固めるかのように
現実に戻った。