「汐莉」




放課後、彼が教室までやってきてあたしの名前を呼んだ。



さっきは『羽田さん』だったのに。



あたしは下の名前を呼ばれただけで不快感を感じた。





「帰るぞ」





あたしは静かに席を立ち、彼の後ろを歩き教室をでた。