パソコンの電源を落とし、同じ部署の面々に声をかける。
もうみんな身支度をしているから気を使う必要もない。

「おつかれさまです」
そそくさと外に出ようとすると「佐竹さん!!」
と部長から声がかかる。
いやいや、あなたもわたしは水曜日の飲み会には参加しないのを知っているでしょうと思いながら振り返ると

「はい」
とお箸を渡された。
「落ちてたよ」

「すいません、ありがとうございます」

「それと…」
あ、キタ。
「君の書類、よかったよ」

部長がわたしの世界の登場人物になった。