「佐竹さん、お昼どうする?」
隣のデスクの森下さんがいつもと同じ調子で尋ねる。

「今日はお弁当あるから」
申し訳なさそうな表情を作って顔の前で両手を合わせる。
申し訳ないなんてちっとも思っていないけれど。

毎週水曜日は夜に備えて昼は軽めの手作り弁当の日
この習慣が出来てかれこれ半年森下さんもいい加減覚えてもいいはずだけれど、一向に彼女の習慣にはならない。
誘う、という機械的な任務を達成することが重要なのであって、わたしの返事はどうでもいいのだ。

女の生活にそれはよく付きまとうと思う。
とりあえずの任務
言い訳なんかいくらでも作れる。

―‥ポツポツ