《完》オフィスでとびきりの夜を

焦点の合った視界の先で。



……瑞樹はこれ以上ない
くらいに悲しげな瞳で、
あたしを見てた。



「あ…………」



いくらなんでも言い過ぎた
かもしれない。



だけど……今さらそんな
ことを思ったって、もう遅い。



「今言ったこと全部。

それ、本気で思ってんの……?」



低い低い――しぼり出す
ような声が、瑞樹の口から
紡がれる。



あたしは何も言い返せなかった。



凍りついたように動きを
止めたあたしを、瑞樹は
もう一度目を細めて眺め……

そして、言った。



「ねぇ莉央。本気?

本気でオレが、そんな
理由でやりたがってるって
思った?」



「あ、あたしは――…!」