《完》オフィスでとびきりの夜を

瑞樹の眉がピクリと震える
ようにかすかに動くのに気づく。



きっとあたしは情けない
顔をしてるだろう。


わかってたけど、あふれて
くる言葉は止められなかった。



「もしかして、本当に
やるつもりなの?

課長の横暴みたいな
提案なのに……まさか、
ホントに……」



――お願い、違うって言って。



祈るような気持ちで
あたしは瑞樹の綺麗な
瞳を見上げた。



瑞樹はどこか寂しそうな、
真剣な目であたしを見返してる。



息の詰まる沈黙が降りて
きて――あたしがそれに
耐え切れなくなりそうに
なった頃、ようやく瑞樹は
静かに口を開いた。



「――そうだよ。

オレは、できればやって
みたいって思ってる」