《完》オフィスでとびきりの夜を

近づくにつれ話し声が
耳に入ってきて、やっぱり
予想通りみたいだった。



だけど――二人に声かけて
どいてもらわないと、
こっちは中に入れない。



それがためらわれて歩幅が
小さくなったあたしに、
あっという間にスタスタ
歩く瑞樹が追いついてきた。



と同時に瑞樹の足音で
課長もこっちに気づいた
ようで、パッと顔を向けると、



「あ、お疲れ様!

打ち合わせ、終わったのね」



大人っぽい笑顔で言う声は
あたし達二人に向けられ
てるけど……その目が
見てるのは、明らかに瑞樹の方。



目があった瑞樹がニコッと
笑って頷いて、



「ハイ、滞りなく。

こっちはスケジュール
通りに進められそうです」