《完》オフィスでとびきりの夜を

そして、この話はこれで
おしまい! とばかりに
ズンズンと歩くペースを速める。



「あ、莉央さん……!」



瑞樹が追いかけてくる
足音を聞きながら、廊下の
角を曲がったけど――…。



「げっ」



あたしは思わず声に出して
小さく叫んじゃってた。



だって、曲がった廊下の先
――あたし達のオフィスの
入口に、当の藤倉課長が
いたから。



(噂をすれば……ってヤツ?

勘弁してよ〜っ)



藤倉課長はドアに手を
かけて、あたしは見覚えの
ない誰かと話してる。



中に入らないでこんな所で
話してるってことは、
もしかしてマダム・フール
から何か聞きに来た人かも
しれない。