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「――お疲れサマ、莉央さん」



ふいに声をかけられて、
あたしはビクッとして振り返る。



あたし以外誰もいなかった
はずのオフィス。



その入口でドアに手を
かけて、いつの間にか
瑞樹が立ってた。



「え………、なんで?

今日は先に帰ったはずじゃ……」



たしか7時くらいに、他の
何人かと一緒に出てったはず。


それなのにどうして――?



「どうせまた、遅くまで
頑張るつもりだったんでしょ。

そう思って――コレ、
買ってきた」



「え?」



瑞樹の手にあるのはわりと
大きなビニール袋。