コッソリと見てたつもり
だったのに、同じく
コッソリ見返されて目が
合って、ドキッとする。



大勢の人の中で、ひそかに
絡まる視線。



釘付けになったように
見てると、瑞樹はさりげ
なくあたしに笑いかけた。



『――見てくれた?』って。



まるでそう、問いかけるように。



(瑞樹―――…)



―――見たよ。



そしてちゃんと、届いたよ。


瑞樹の“熱意”と“本気”。



(まいったな。

こんなに素敵なポスターが
社内や店に飾られたら、
瑞樹の人気アップ、200%
確実だよ――…)



そしてあたしはまた、
ハラハラドキドキの毎日。

……あぁ、考えるだけで
頭が痛い。