本当は一番応援して
あげないといけないのに、
それができなくて。




「――いいよ、もう。

謝らなくて」



穏やかな声で言って、
瑞樹は指先であたしの顔を
そっと上向かせた。



見下ろす瑞樹の深い色を
たたえた瞳と視線が絡まりあう。



「話したいことはもっと
たくさんあるけど……

でもとりあえず、後まわしだ」



「え?」



後まわし? 

って――どうして?



声に出さず目線で尋ねた
あたしの視界が、ふいに陰る。



オデコに温かな感触がして――
瑞樹がそこにキスしたんだ
って、一瞬遅れて気づいた。



「瑞樹―――…!」