《完》オフィスでとびきりの夜を

目をしぱしぱさせて課長を
見返すと、見るに見兼ねた
様子で言葉を挟んだのは
瑞樹だった。



「ったく、向こう見ず
なんだから……。

なんて言って飛び込んで
きたか思い出しなよ、莉央」



(え…………?)



瑞樹の言葉に、言われた
通り自分が飛び込んだ時の
記憶をたぐり寄せる。



必死だったから、夢中で
叫んで飛び入ったけど――…。



『あたしの瑞樹に、
変なことしないで!!』



「あ…………!」



あの時の自分の声を思い
出して、あたしはカーッと
頭に血がのぼってくるのが
わかった。



瑞樹が『やれやれ』って
感じで肩をすくめて、



「……思い出した?」