《完》オフィスでとびきりの夜を

あたしは声が上ずりそうに
なるのを懸命に押さえて、



「――そうですね。

ホント、一瞬みたいだった……」



「ウンウン。

瑞樹クンってホントすごいよ。

絶対いい写真が撮れてるね!
もー見なくってもわかるし!」



「アハハ………」



沙織さんだけじゃなく、
他のみんなの興奮も
冷めやらない。


みんながみんな、口々に
瑞樹を褒めたたえてた。



(瑞樹……。みんな、
こんなにあなたのこと
褒めてるよ――)



あたしも、不思議な感覚だった。



あんなに瑞樹がモデルを
するのは嫌だって思ってた
はずなのに。



それに今でも、これからの
露出のことを考えると
不安なのに。