でもあたしは、瑞樹の
撮影に臨む姿を見ようって
決めた。



あたしが『嫌だ』って
言っても意見を変えず、
瑞樹がやり通そうとしてること。



それを見ないと、あたしは
後でものすごく後悔するって――


夕べ圭輔と会った後に、
そう思ったから。




「……………!」



スタジオの白い建物が
見えてきた。



あたしは知らぬ間に
ギュッと拳を握りしめて
入口を目指す。



エントランスを抜けると、
ロビー部分に見知った顔が
いくつかあった。

――会社の後輩達だ。



「ミチ、アヤ――…」



「莉央さん?

あれっ、やっぱり来たんだ!」



「う、うん。

沙織さんには連絡したんだけど」