《完》オフィスでとびきりの夜を

思わず何度か瞬きして……

そして次に圭輔を見ると、
その顔はもう笑ってなかった。



さっきまでの冗談めかした
態度は掻き消した真剣な表情で、



「あと、こんな強引に
誘ったもうひとつの理由。

お前が見違えるくらい
キレイになってたからだ
……って、言ったらどうする?」



「え…………?」



鼓動がトクトクと打ち出した。



きっとあたしの顔からも、
もう笑みは消えてる。



圭輔はそんなあたしを
さらにまっすぐな瞳で見て、



「なぁ、莉央。

お前今、つき合ってるヤツ
いるのか――…?」



「圭輔―――…」



あたしの囁くような声を
最後に、二人の間に沈黙が
訪れる。