《完》オフィスでとびきりの夜を

「えっ? け、圭―――!」



『圭輔』って呼ぶ前に。



なんと電話は、プツッと
機械的な音と共に一方的に
切れてしまった。



「ちょ、ちょっと待ってよぉ〜」



たしかに昔の圭輔はマイ
ペースであたしを振り回す
ところがあった。



性格は変わらないにした
って、あの頃と今とじゃ
全然状況は違うのに……!



「どうしよう………」



コールバックして、改めて
『行けない』って言う?



でも、何だかそれも
申し訳ない……。



「………………」




時間は9時ちょっと過ぎ。



出かけるには遅い時間だと
思うけど、あのスタジオ
なら私鉄で1本で行ける……。