《完》オフィスでとびきりの夜を

アップというほどでは
ないがグッと近くなった
顔に、瑞樹は思わず息を
飲んでしまう。



ところが課長はそれも
見抜いたうえで、クスリと
楽しそうに笑うと、



「ホント、キミって楽しい。

――久々に、私をワクワク
させてくれるコだわ」



「…………え?」



(――ワ、ワクワク?)



「新天地でどんなことが
できるかって思ってた
けど、キミのおかげでここ
までずいぶん楽しかったわよ。

ホント、瑞樹がここにいて
よかった」



「か、課長?」



思わぬ話の展開と徐々に
近くなる大人びた美貌に、
瑞樹はあせった声をあげる。



けれどそれでも、瑞樹に
体ごと迫ってくるその
距離は一向に止まらない。