《完》オフィスでとびきりの夜を

そして机に軽くほお杖を
つき、斜めの角度から
瑞樹を見上げながら、



「さすがのキミでも緊張する?

ってまぁ、そうじゃない
かと思って電話したん
だけど――」



そう言って目を細めた
笑顔は妙に艶っぽい。



全てを見透かすような態度
に、瑞樹は少しドキリとした。



「さすがも何も、モデル
なんて初めてなんですから。

そりゃ、緊張しますよ」



本当は“写真撮影”に
限って言えば、それなりに
経験はある。


ホスト時代、店のチラシや
ポスターの撮影は何度か
経験したことがあるからだ。



でもそれと自社の製品を
売り出す為のモデルとは
全然緊張感が違うと、
瑞樹はもう充分に悟っていた。