《完》オフィスでとびきりの夜を

ディスプレイには課長の
言葉通り、不在着信の
マークが出ていた。



「す、すいませんっ。

気づかなくて……!」



マナーモードだったが、
バイブの音にも気づかない
くらい自分は考えに
ふけっていたらしい。



恐縮して謝る瑞樹を課長は
あきれたような笑顔で見返して、



「まぁ、いいけどね。

ここで明日の衣装見ながら
色々考えてた―――そんな
とこでしょ?」



「ア、アハハ……」



さすがに鋭いと改めて
思いつつ、瑞樹は照れ
笑いを浮かべる。



課長も今度はフッと
柔らかく笑って、静かに
瑞樹の隣の椅子――莉央の
席に座った。