《完》オフィスでとびきりの夜を

と、その時だった。



オフィスの外――廊下の
方から、カツカツという
聞き覚えのある足音が
聞こえてくる。



瑞樹はピクッと肩を
震わせて足音の行方に
耳を澄ました。



音は徐々に大きくなり、
予想通りこの部屋の前で止まる。



カチャリとドアを開け、
自分一人だったオフィスに
入って来たのは――…。



「藤倉課長……!」



予想はついていたが、
瑞樹は思わず目を見開いて
驚いた声をあげた。



というのも時間のことも
あるが、藤倉課長は今日は
夕方から外出していて、
そのまま直帰と聞いてたからだ。



「戻って来たんですか?」



こんな時間に何をしに?



ついそんなニュアンスも
込めて言うと、課長は
なぜか少し眉をあげて、