《完》オフィスでとびきりの夜を

(いい加減オレも、
平静保てないぜ。

マジで勘弁してって……)



大事な仕事中に余計な事を
考えてちゃいけない。



しかも今日が最後の打ち
合わせで、しっかり話を
詰めて次回の撮影に臨む
必要がある。



そう自分に言い聞かせて
懸命に雑念を追い払って
きたけれど……さすがに
もう、限界だった。



(桜井さんが莉央の昔のカレシ?

てゆーか、昔っていつだよ?)



押さえていた感情が、
肩を並べて話す二人を見て
一気に体の奥底から沸き
上がってきた。



今回の仕事で自分を撮影
してくれる圭輔と会うのは
今日でまだ数回目。



けれど歳も近いし、
気さくで話しやすくて
安心感もあり、瑞樹は
好印象を抱いていた。