《完》オフィスでとびきりの夜を

(……って、何してんだよ……)



いつの間にか圭輔は自分
達の傍を離れ、スタジオの
片隅にいた。



さっきまで自分もいた
その一画で、圭輔と莉央が
並んで壁にもたれ、何やら
会話している――。



瑞樹はイラッとしてしまう
のを押さえられなかった。



圭輔になのか莉央になのか
――自分でもわからない
けれど、頭がカッと熱くなる。



(何なんだよ、いったい――…)




『昔のカノジョだよ』



――圭輔のその一言を
聞いた時は、心臓が止まる
かと思った。



必死で表面上は取り繕い、
『すごい偶然ですね!』
なんて驚いたふりをして
話を合わせ、打ち合わせも
ちゃんとこなしたが……。