《完》オフィスでとびきりの夜を

「別にすごくはねーよ。

まだまだ小さな仕事
ばっかの名もないカメラ
マンだ。――って、あ、
ゴメン」



「プッ……いいよ、別に」



たしかに中小メーカーの
宣伝ポスターの撮影じゃ、
お世辞にも大きいとは言えない。



「でも、それでもすごいよ。

頑張ったんでしょ、
ここまで来るのも」



昔から前向きで一生懸命な
性格だったから。




あたしのセリフに、圭輔は
頭を掻きながら照れ
臭そうな顔をして、



「まぁな。

そんで今もまだ、もっと
上を目指して頑張ってる
真っ最中」



そう言ってはにかんだ
笑顔は昔のままで、
あたしは懐かしさと共に
穏やかな気持ちが広がる
のを感じてた。