「え、いいんですか?」



瑞樹は一瞬目をパチクリ
させたものの、すぐに興味
シンシンッて声を出す。



圭輔は軽快に笑って、



「構わないよ。

今ちょうど別の撮影中
だから、見学しとけば
本番のイメージもわくだろ」



「そうですね……!」



興奮を押さえ切れない
声で言ってから、瑞樹が
チラッとあたしを見る。



あたしは質問される前に
すぐ答えた。



「いいんじゃない。

あたしの時間はかまわない
から、見学させてもらえば」



「ありがとう。

じゃあ、そうするよ」



「って、お前も来て
いいぜ、莉央」



立ち上がりかけた二人を
座ったまま見送ろうと
してたら、圭輔があたしに
声をかけた。